Fountain (日本式)
Fountain (日本式) は、playscript で扱えるデータ形式のひとつです。
本家の Fountain を基に、日本語の台本を書くためのローカルルールを取り入れた記法です。
Markdown のように可読性を保ちつつ、構造を表現できるテキスト形式のデータです。
例
Fountain (日本式) のソース
Title: ろくでなしの冒険
Author: アラン・スミシ
# 登場人物
六郎
七郎
# シーン1
六郎と七郎、登場。
@六郎
どうする?
@七郎
帰って寝る
> おわり
playscript.conv.pdf.psc_to_pdf()
で PDF にしたところ

行の種類と書き方
題名と著者名
Title: ろくでなしの冒険
Author: アラン・スミシ
台本の先頭に書くようにします。
コロンの後のスペースは必須ではありません。
題名と著者名のどちらか、または両方を省略することができます。
本家の Fountain と同じ書き方ですが、Title Page という概念はありません。
これ以降は基本的に、行の種類が変わる時に空行を挟む必要があります (例外あり)。
登場人物見出し行
# 登場人物
'# 登場人物' と書きます。
この書き方は本家の Fountain では Section を表しますが、日本式では '# 登場人物' と書いた場合のみ「登場人物見出し行」として扱うことにします。
本家の Fountain の Section はレンダリングされませんが、「登場人物見出し行」はレンダリング対象とします。
登場人物行
# 登場人物
六郎
七郎
登場人物見出し行のあと、空行に続く行が登場人物行となります。
この書き方は本家の Fountain では Action (ト書き) を表します。
日本式ではト書きとの違いとして、人物説明や配役を追記する書き方を定義します。
追記のための区切り文字は ": " (半角コロンと半角スペース)、または単に半角スペースを使います。
六郎: 主人公
七郎: 六郎の弟
柱
# シーン1
本家の Fountain には Scene Heading がありますが、日本語の台本の柱とはだいぶ違うので、日本式では Section と同じ書き方にします。
Section が階層化できることを利用して、Fountain (日本式) ではレベル3までの柱を定義します。
# 第一幕
## シーン1
### シーン1- A
ト書き行
六郎と七郎、登場。
特に記号など付けずに書いた行は本家の Fountain ではト書き (Action) になり、日本式もそれに倣います。
セリフ行
@六郎
どうする?
エンドマーク
> おわり
">" で始まり、"<" で終わらない行をエンドマークとします。
本家の Fountain では Transition として扱われる書き方ですが、日本語では Transition の概念はない (ト書きで済ませる) ので、これを使って右寄せにします。